国語と英語の文法比較

[導入問題]
次の英単語の品詞を答えてください。

問(1)

次の日本語は上の写真の英語の日本語訳です。
これらの日本語は何の品詞に分類されるのか考えてみてください。

問(2)


 解説 

解答(1)

副詞は、国語文法と英語文法で扱い方が違う典型的な例です。英語の文法の品詞区分であるadverbを日本語で便宜的に副詞と訳しているため、国語文法で規定する副詞とは、文法上の考え方が少し違います。

解答(2)

既に・突然しばしば
これらは、英語と同様に日本語でも副詞に区別する単語です。

速く
「速く」は形容詞「速い」の連用形です。日本語の用言(動詞・形容詞・形容動詞)に連なる形が連用形です。

日本語では形容詞の活用(語形の変化[未然・連用・終止・連体・仮定・命令])があるので、形容詞も動詞などの用言を修飾することができます。

形容詞は、名詞などの体言を修飾する場合は連体形、動詞などの用言を修飾する場合は連用形になります。

しかし英語の場合、形容詞の語形は [比較]を除き変化をしないため、形容詞は名詞を修飾するための語、副詞は名詞以外を修飾するための語という非常にシンプルな品詞区別をします。

絶対に・真剣に
これらは、それぞれ形容動詞「絶対だ」「真剣だ」の連用形です。

驚くほど
動詞の「驚く」に副助詞の「ほど」がくっついた形です。

家で
名詞の「家」に格助詞の「で」がくっついた形です。

このように、英語では名詞以外を修飾する修飾語を副詞として扱いますが、国語では名詞以外を修飾する修飾語句のうち、活用しないものだけを副詞として扱っているのです。

文法の違い

一言に「文法」といっても国語と英語では文法の考え方が全然違います。なぜ、教科を跨ぐと同じ文法でもその考え方にこれだけ違いが生まれるのでしょうか。

それは、国語と英語では根本的に教科の役割が違うからです。

実は、私たちが学校で勉強する国語の文法と、外国人が日本語を勉強するときに学ぶ日本語の文法も全然違います。

文法 = ことばのルール

文法とは、言葉の相互の関係=ことばのルールをどのように捉えるかによって、様々な種類に分かれます。そして関係の捉え方の違いは、文法を活用する目的の違いから生じます。詳しくみていくと文法にも非常に様々な種類が存在します。


様々な文法の例

規範文法
正しい言語表現のきまりを示した文法

記述文法
言語現象の客観的記述

歴史比較文法
文法の変化を歴史的に分析することで言語の本質とその構造を探る文法

生成文法
さまざまな言語に共通してみられる文の構成の普遍的な概念について考える文法

言語類型論
世界中の言語の特徴を収集しそれらの相違点や類似点を探る言語学の分野

ect…


国語文法と日本語文法、英語文法

学校で習う文法である国語文法は、古典の内容との継続性を重視しているのに対して、外国人が日本語を勉強する時に学ぶ日本語文法は、言語学的な論理体系に基づいた文法ということができます。

実は、国語と英語は教科の目指す目的がそもそも全然違うのです。

国語 → 学術的側面に重心を置いた文学について学ぶための科目

英語 → 実用的側面に重心を置いた英語スキルを学ぶための科目


この二つの言語の扱い方の違いを明確にすると、それぞれの授業内容を少し俯瞰して捉え直せるかもしれません。

英語は、イギリス・イングランド地方を発祥とし、インド・ヨーロッパ語族に属します。対する日本語は、語族を共有しない日本独自の言語です。

この二つの言語の違いが、人の思考にどの様な差異を生むのかを考えながら、ことばについて考えてみてください。


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[導入問題]
次の英文を日本語にしてください。

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